腱鞘炎は筋肉と骨をつないでいる腱と腱が浮き上がってしまい有効に関節が曲げられなくなることを防ぐために腱を引っ張っておく役割をする腱鞘という組織が過度に使われてこすりあわされるなどの刺激により炎症を起こし、痛みを引き起こしてしまう状態です。ほかの原因としてリウマチなどの病気による腱鞘炎もあります、リウマチなどの自己免疫疾患などはその原因がすべて解明されているわけではありません。しかし、その治療法もかなり進歩してきています。このような病気は自分で治療することはできませんので医師の診断と治療を受ける必要があります。
一方、いわゆる使い過ぎによる炎症を起こした腱鞘炎は軽いものであれば自分で治すこともできます。使いすぎが原因なので自分でも診断はしやすいでしょう。その治療の基本は炎症を取ることです。大きく分けると保存療法と手術の2種類に分けられます。
保存療法とは手術などはしないで安静に保つことで炎症が収まるのを待つということです。待つといっても、本当にないもしないで痛い部分はなるべく使わないようにして待つ方法から、痛み止めのシップを貼ったり、痛み止めを内服するなどです。これぐらいまでは薬局などで販売されている痛み止めなどで対応できます。症状が強い場合は炎症を抑える効果が高いステロイドの注射薬を局所注射する治療法もあります。
ですから保存療法と言ってもその方法はいくつかあります。一方、外科手術はその名の通り、炎症を起こしている腱鞘を除去したり、炎症に伴って形成されてしまった余分な組織を取り除く手術をすることで治療を早める方法です。治療法は患者さんの仕事内容や治療可能期間、それまでの経過などを総合的に判断して決定されます。